「薬膳」という言葉は1980年代に中国で生まれた言葉です。
中国医学会でもまだ若い概念でその考え方を正確に学んでいる人が少なく、
勝手な解釈が独り歩きしている事が多いのが現状です。
薬膳と聞くと、いわゆる漢方の生薬、薬草など特殊な食材で創った料理を連想される方も多いと思いますが、
それは間違った考え方です。
薬膳とは「自然を重視し、季節やその人の体調に合わせて創る料理」
特に大事な考え方は
「日常いただいている食材すべてに大なり小なり効能がある」ということ。
たとえば
「トマト」 |
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性質は微寒で体を冷やす力がやや強く
体内水分を作り、喉の渇きを止め、胃の消化力を高めます。
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たとえば
「かぼちゃ」 |
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性質は温で体を温める効果があり、
消化機能を助け、気力をつけます。
また利尿作用もあります。
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直接的な効果を連想される方も多いかと思いますが、
そうした考え方は薬膳の考え方とは離れてしまいます。
季節に合わせて、食べる人の体調を看て、適した食材で料理を創って食べる。
これを習慣として取り入れることで、
体調をいい状態に保つ、 つまり病気にならないようにする
というのが薬膳本来の教えです。
西洋医学で処方される薬のように、すぐに効くという考え方はしません。
この機会に正しい薬膳の知識を身につけて下さい。
「生活習慣を見直すきっかけ」としてもお役に立てると思います。